焚き火の歌詞で思い出す光景を現代に
「かきねのかきねのまがりかど たきびだたきびだおちばたき あたろうかあたろうよ きたかぜぴゅーぴゅーふいている」
おなじみのフレーズだ。この歌の題名が「たき火」。いつ頃どこでだれに習ったのか定かではない。でも今でもちゃんと覚えているのが不思議だ。この歌の光景を頭に描いてみる。それだけでなんだか癒させる気持ちになる。
家の塀がコンクリートでなく木でできていた時代。道路もアスファルトでなく、でこぼこの土だった頃。凸凹道には雨のあと、水たまりもできていた。サザエさんの世界かもしれない。「しもやけおててがもうかゆい」子供の頃、寒い中外を走りまわって家に帰る。冷たくなった足を桶のお湯であたためてくれた母の姿を思い出す。
ほうきをもって近所のおじさんやおばさんが落ち葉をかき集めていた。落ち葉をまとめて焚き火をたく。焚き火を焚くとそのまわりになんとなく人が集まってきた。立ち話。みんな他愛もない会話をしていた。
焚き火があると人が集まってくる。おじいちゃん、おばあちゃんから子どもまで。年代や性別の区別なんてない。火を見つめながらほっとした空気に包まれる。そのうち自然な会話が生まれる。面と向かっては話せないことも焚き火の前では話しやすかった。焚き火を囲んでみんながほっこり笑顔になった。
こんな昔当たり前にあった焚き火の光景。「最近どう?」ご近所で声を掛け合う間柄。ちょっとおせっかいなところもあった。こんな場を今の時代に再現したい。焚き火でフラットなコミュニケーション。場づくりの原点はこんなところにあったりする。
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