初心者が焚き火をはじめるのに必要な8つ道具|お金をかけずにスタートする
「焚き火が見たい、焚き火をやってみたい」「でもどんな道具を用意したらいいの?」「いきなりあれもこれも買うわけにはいかないし」「どこへ行けば売っているかもわからないし・・・」
本記事では焚き火をこれから始めたい初心者の人がお金をかけずに最初に必要なものを準備したいとき、まずはこれだけあれば十分というものを厳選してみました。
ネットや本の情報だけであれもこれもと手を伸ばすと、お財布が大変なことになりますよね。
まずは一度二度と焚き火をやってみて、慣れてきたら新しいものを買い揃えていくのがベストの方法です。ではスタートしていきますね。
焚き火台
最初になんといってもコレ。焚き火をするための専用台です。えっ?火を着ける道具じゃないの?と思ったかもしれません。
実は焚き火はどこででもできるというものではないのですね。とても残念なことです。まずは焚き火ができる場所に行くことから始まります。
じゃあどこでやったらいいのでしょう?まちがいなく焚き火ができる場所としてはキャンプ場です。
でもキャンプ場に行ったからといってその辺りの地面でいきなりは焚き火はできません。これを直火と言います。直火で焚き火ができるキャンプ場はとても限られています。
そこで登場するのが焚き火台です。文字通り焚き火をするための専用台です。ここ数年、焚き火台は人気です。
各メーカーからたくさんの種類のものが販売されています。ネットで検索したらたくさんのものが出てきます。値段も形もいろいろです。どうやって選んだらいいのか迷ってしまいますね。
最初に考えたいのが「焚き火を囲みたい人数」です。家族や友人など複数でやりたいのか。それともひとりでソロ焚き火をしたいのか。これで大きさが決まります。ここでは複数人数でやる場合を想定しています。
その上で次に選ぶ基準は、「携帯性」「組み立てやすさ&かたづけやすさ」「燃焼性」「料理ができる」「耐久性」「コスト」の6ポイントになります。これがすべて満たされたら完璧です。では具体的に2つおすすめ焚き火台を紹介します。
一つ目がファイヤーディスク(コールマン製)。足を出せばすぐに使える手軽さ。広めのフォルムで薪も乗せやすい。付属の網で簡単な料理もできます。
価格も5,000円~6,000円台とお手頃(2024.9現在)。中華鍋をひっくり返したような形なので頑丈です。シンプルなフォルムでオシャレ感もGOODですね。
当協会は焚き火コミュニケーションがコンセプト。コミュニケーションが円滑になるには輪があるといいです。その点、丸い形で「きれいな車座」がつくれるのは高評価です。
焚き火台を購入するときに見落としがちなのが収納ケース。持ち運びするときにあった方がいいし、灰のついた焚き火台をむき出しで車に乗せるのは気が引けますよね。
ケースはきつきつより、出し入れがしやすくて収納しやすいものがベスト。
この焚き火台なら入れやすい収納ケースが付属になっていて便利です。段ボールケースに入っているようなものは何回か入れ替えをしているうちに箱がボロボロになります。
気になるのは火おこしが少々難しい点。台の真ん中に火種が集まって空気が入りにくいので、初心者はちょっと火おこしに苦労するかもしれません。
二つ目がファイヤーグリル(ユニフレーム製)。四角い広いスペースに薪を置くことができるので、地面に近い組み方をいろいろ試すことができます。空気が入りやすいよう穴があいた火床になる鉄板も秀逸です。
重さにも強い(メーカーWEB推奨20キロまで)なのでダッチオーブンなどの重い鍋ものせることができ、焚き火料理のバリエーションが広がります。
価格も購入しやすい7,000円台(2024.9現在)。安定していて頑丈なつくりになっています。
こちらはある意味「元祖焚き火台」です。僕たち協会では発売時より20年以上使っていますが、今も錆びることなくメイン現役でがんばってくれています。まさにベーシックモデルと呼ぶにふさわしい焚き火台です。
気になる点は組み立て時。コンパクトになる独特の4つ足構造で、開くときに順番がわからなくなることがあります。久しぶりにこの台を使おうと思ったら、どうだったっけ?となることがよくあります。
焚き火台は高いものから安いものまでさまざまです。ここでは6,000円から7,000円台も価格帯で定番ベーシックモデルをチョイスしました。
最初から1万円を超すようなものに手を出さないことです。まずそこそこの台でやってみて、自分のスタイルや使い勝手が見えてきたら次の一台に考えていくというのが得策です。
【おまけ】
焚き火台は観賞するだけから調理に使えるものまで多岐にわたります。組み立てがしやすい。すぐに火がおこせる。ダッチオーブンもそのままドーンと置ける。取手をつけたら火の上に吊るすこともできます。シンプルな四角形というのもいい。
イベント開催で焚き火台が不足し、急遽ホームセンターへ走って買った一台。価格もたしか3000円ちょいだったと記憶します。どこのメーカーのものさえわかりません(汗)。
超マイナーですがこの台はとても使い勝手が良いです。万能な焚き火台を一つ持っておくとキャンプのとき重宝します。
マッチ
2つ目がマッチ。焚き火をおこすときはまず中心に燃えやすい着火材となるものを置き、その周りに小枝を盛り上げた形をつくってから点火するのが定番の方法です。
中心の着火材へいざ火をつけようとすると、盛り上げた小枝の間を縫って、横から火を差し入れるイメージになります。マッチだとそれがやりやすくなります。
ライターの火を使うと炎が上を向いたり、手元が熱くなったり。差し入れるという行為がなかなかうまくいきません。
またライター1個だけだと燃料がなくなったり、水に濡れたりしたらアウト。マッチ複数を分散させて防水ケースに入れておけば、どちらかがダメになっても火を熾せないなんてことにならずに済みます。何よりエコなイメージがいいですよね。
最近はマッチを使う機会が減ってきました。だからこそマッチの良さを生かしたいものです。最初は使い慣れていないマッチで火を着けるのは少々難しいかもしれません。でもライターで焚き火の着火していては趣が足りません。
「マッチ一本で一発着火!」ができるよろこびを味わってほしいものです。さらにおすすめしたいのが長軸のマッチ。軸が長い分、奥まで入れられること、着火までマッチを長く持っていられるなどメリットがあります。100均で入手できます。
【慣れてきたらこんなギア】
着火する道具にはマッチ以外にもいろいろなものがあります。ミニバーナーで着火口が伸びるタイプは風が強い日でも火が着きやすいので1台あると便利です。
さらに火花を散らして火をつけるファイヤースターターと言われるものがあります。着けにくいですがたのしめる逸品です。慣れてきたらやってみましょう。
新聞紙
着火剤に何を使うのか?実は新聞紙です。アウトドアショップで売っているチューブ状の着火剤などでももちろんできますが、できるだけ身の回りにあるものを代用しましょう。
新聞紙は一枚を半分に切って軽く棒状にし、ぐるっとトグロ状にすると最高の着火剤に変身します。その場で敷物代わりにしたり保温で使ったり。新聞紙ひとつあるとアウトドアでは重宝します。お試しください。
家庭にあるもので着火剤になるものとしては牛乳パックがあります。そのままだと火が着きにくいのであらかじめ短冊状に切っておいた方がいいです。
最初のうちは現地で作業するのは大変かもしれません。自宅でハサミで切ったものを持参するのが無難です。
ただ、新聞紙や牛乳パックは燃えカスなど環境面からすると今一歩です。少し慣れてきたら自然のものを着火剤として使いましょう。
自然の着火剤No1はスギの枯れ葉。通称「スギッパ」と言います。脂分を含んでいて炎が真上に立ち上がり着火しやすいです。燃える香りも格別です。
松ぼっこりも着火剤として良い燃料になります。一時的ですが中に熱を溜めてくれるので、そこから小枝や木っ端に燃え移りやすくなります。
見た目もかわいらしいのでフォトジェニックになりますね。こうした自然の燃料を行った先の周辺で拾ってくるのも焚き火のたのしさを広げてくれます。
手袋
焚き火は高温になります。台をうっかり素手でさわったらやけどします。必ず軍手を使って行うようにしましょう。
何度かやったら焚き火用のグローブを購入しましょう。薪を扱うときに木のトゲがあります。
軍手だと生地のスキマからトゲが刺さってしまいますが、革製グローブのものであれば大丈夫です。少し慣れてくると薪をつくるときにナイフを使うようになります。
軍手だと誤って手に触れたときにケガをしてしまいます。グローブだとそういうケースでもある程度危険を回避できます。
焚き火グローブは使い込むほど自分の手にフィットするようになります。するとグローブをつけたまま作業するのもやりやすくなってきます。
自分だけのグローブに育ってくると、こだわりも出て、より愛着が湧いてきますよね。
焚きつけ
着火剤から最初の火ダネをつくるところまでには焚きつけが必要になります。薪(たきぎ)と呼ばれるものです。
焚き火の場所の周辺で枯れ葉や木枝を拾ってきましょう。スギッパやマツの葉、松ぼっくりに加えて、太さの違うものを集めます。拾ってきた焚きつけは細いものから太いものへ仕分けしておきます。
火を安定させるために細い枝から順番に太い枝を投入していきます。事前に仕分けができていると段取りよく火をおこしていくことができます。
火おこしは段取り8割と言われる理由がここにあります。
焚きつけ拾いをすると、森や林の様子を感じることができます。森の中に入ると、常日頃使っていない五感が開くのを感じます。加えて作業に没頭できてシンプルにたのしい気分になります。
焚き火前の焚きつけ拾いは、焚き火をするなら必ずやりたいたのしいプロセスです。
うちわ・火吹き棒
火がおきないときの一つの原因に空気が取り込まれていないというのがあります。そんなときに重宝するのがうちわです。
風がないとき、温度が低いときなどうちわ一本があれば強力に火を送り込むことができます。暑いときはあおぐこともできますね。
もう一つできたら持っていたいのが火吹き棒。ピンポイントで風を送ることができる火おこしツールです。火吹き棒が一本あるかないかで火おこしに大きな違いが出ます。
特に気温が下がったときや雨あがりなどの着火は大変です。寒いときに限ってなかなか火がおきてくれない。
早く温まりたいのに。にっちもさっちもいかない。途方に暮れてしまいます。そんな時、火吹き棒があれば悪条件もクリアできます。
自分で火をおこしている感も満載でたのしさ倍増です。写真は竹を切って節のところにキリで穴を開けた自作のものです。特別な構造はありません。
とてもシンプルですがパワーは絶大です。100均で金属製のものも販売されています。焚き火に行くなら火吹き棒一本。持参してみてください。
火ばさみ
焚き火の火が落ち着いてきた後に使います。当たり前ですが、軍手で火の中に手を突っ込むなどは危険ですからやめましょう。
専用のものもありますが初心者はまず100均で売っているもので十分です。というか100均の火ばさみは優れものです。
焚き火をしながら燃える薪を動かしたり新しい薪をくべてみたり。このいじる動作がたまりません。いじりながらだと会話もしやすくなります。火ばさみは焚き火のたのしさとコミュニケーションを広げてくれる道具です。
【慣れてきたらこんなギア】
火ばさみにもさまざまなものがあります。先端に工夫がされていて大きな薪も掴みやすくなっているもの。
持ち手が革でくるんであって、使い込むほど味が出てくるもの。愛着の逸品があると焚き火の懐に入っていく感じになります。このあたりはこだわりの世界ですね。
薪
焚き火の肝心かなめ「主役」です。火をおこしたものを維持するには薪が必須になります。最初のうちは自分では用意できないのでキャンプ場で購入してください。
一晩使える程度のものを束にして管理棟で販売しています。
薪にはスギやヒノキといった針葉樹と、ナラ、クヌギ、サクラといった広葉樹があります。
針葉樹は密度が低く燃えやすいので最初の火をおこすのに利用します。広葉樹は密度が高く燃えにくいかわりに火持ちがいいので火が安定してきたら使っていきます。
木枝ももちろん薪になります。少し慣れてきたら市販の薪ではなく、森で拾った木枝で火を焚きたいものです。その方がぐっと自然に近づいた感覚が得られ、焚き火の奥深さに触れられるからです。
木枝は良く乾いたものを探すのがコツです。湿ったものは燃えにくい上に煙が出て焚き火には適しません。
あると便利なものが焚きつけの入れ物。せっかくたくさん拾ったのはいいけど、手に持つ量だけだと限られてしまいます。袋を持参するなど用意しておきましょう。
8つ道具には紹介しませんでしたが、必ずバケツを用意しておきましょう。風が強い日は火が急に大きくなったり、火の粉が飛んでいったり。自然の中では予測できないことが起こります。山火事はこうした不注意から起こります。
ちょっとでも危険を感じたときには、すかさず火が消せるような準備が必要です。最後のあと始末で水をかけて消火するときにも重宝します。
水は焚き火台に直接かけないでください。焚き火台が変形したり、火の粉が飛び散ったりします。燃えカスになった薪を一本一本バケツにジュッとつけて消していきます。
焚き火はあと始末まできちんとやって完結です。やりっ放しで帰るようなことは絶対してはいけません。
周囲に燃えやすいものはないか、風は強くないか、火は必要以上に大きくなっていないか、万が一のときの消火準備はできているか、あと始末はちゃんとできたか。安全面を最大に配慮してたのしい焚き火をしてください。
まとめ
以上がはじめて焚き火に必要な8つ道具プラスアルファです。さあ焚き火をやるぞ!と意気込んであれやこれや道具を買い集めるのは良くありません。道具を集めるのではなく、焚き火をするのが目的です。
実際にやってみるとこうした方がいい、ああしたらうまくいくなどわかるようになります。体験しながら自分オリジナルな形をつくるのもたのしみの一つですね。
ここでははじめて焚き火をするのに最低限必要な道具を厳選しました。お金が掛かるのは焚き火台と薪くらいです。それ以外は日常で使っているものでほぼ代用できます。
焚き火はお金を掛けてやるものではありません。あくまで自然をたのしむ気持ちが大切です。焚き火を囲んだコミュニケーション。愉しんでみてください。
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