焚き火がなくてもあたかも焚き火があるような場づくり

2018.05.25 (金)

焚き火は傍らにいるだけでその場にいる人の心をそっと落ち着けてくれる。話しても話さなくてもただじっと火を見つめていればいい。無理なんてしなくていい。そのことをとがめる人なんて一人もいない。肩肘張らない自然体の自分がそこにいる。まさに安心安全な場だ。

子供の頃は誰もが素直だった。たのしいときはたのしい。悲しいときは悲しい。怒ったときは怒りをあらわにした。そのままの感情を表に出していた。大人になるにしたがってだんだんとそれができなくなっていく。しがらみとか立場とか見栄とかどうでもいいことを気にするようになってくる。

こうした毎日が重なっていくと次第に自分らしくいられなくなる。自分自身を失っていく。歪みが出てくる。心を開ける場がなくなると行き詰っていく。メンタルに不調をきたす場合も出てくる。現代人にメンタル不調が多いのはきっとこのパターンではないかと思う。人には本来の自分を取り戻せる場が必要だ。

素の自分をさらけ出せること。その前提はしっかり受け止めてくれる器があること。しっかり耳を傾け聴いてくれること。今の社会に最も大切なことではないだろうか?シンプルな話で昔に戻ればいいだけのこと。生活は多少不便でも心が豊かだったあの頃のように。

「初めて会った人ばかりだったが初めて会った気がしなかった」「昔から知っていたような気持ちなった」「受け止めてくれる感があった」「何でも話せる空気感があった」焚き火ではない場でたまにこんなふうに言ってもらえることがある。心からうれしいと思う。それが場づくりをやっている目的だから。

目指すのは一人ひとりが心を開くことができる居場所づくり。その人の個性を受け止める器。「焚き火がなくても焚き火があるみたい・・・」これからもそんなふうに言ってもらえる場づくりにこだわっていきたい。

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