焚き火が人を魅了する理由とは?
忙しい日常を送れば送るほど森や山への想いが強くなる。焚き火の炎を見つめて過ごす、静かな時間が恋しくなる。
「何で焚き火やアウトドアが好きなの?」あるアウトドアイベントの帰り道、そんな問いを参加者の一人から投げかけられ、黙ってしまったことがありました。
アウトドア好きの人が自然へ足を向けたくなる理由って何だと思いますか?おそらくその時の同じようにはっきり言葉にするのは難しいのではないでしょうか?
「何となく癒されるから」とか「空気がおいしいから」「日常空間から開放されるのがたのしいから」
大体はそんなはっきりしないけれど、心地が良い、たのしいというのがその主なところだと思います。
この理由を科学的に説明している理論があるみたいです。それが「1/fゆらぎ理論」と言われるものです。
その道の研究の第一人者である東工大の武者教授によれば、ゆらぎとは「物事の予測ができない空間的、時間的変化な動き、不規則な様子」のことをいうのだそうです。
森の木々が風に揺られて不規則にたなびく様子や川のせせらぎの音。そんな自然の現象が生み出す「ゆらぎ」には人を心地よくさせる効果があるのだとか。そしてもちろん焚き火もその中に含まれています。
オレンジから赤へとグラデーションを描く炎の色のゆらぎ。一瞬たりとも同じ形を留めず常に変化し続けるその形状。規則正しい、人工的な一定のリズムではない現象は元来人間の持つ波長と符合するようです。
詳しいメカニズムはまだ研究段階だそうですが、自然が生み出すゆらぎを感じることで僕たち人間はその効果を吸収します。その結果リラックスすることができるようです。その効能を体験的に知っていることが心地良さを与えてくれるアウトドアへと僕たちを向かわせる理由なのでしょう。
もちろんその他にも焚き火に人が惹きつけられる理由はいくつかあると感じています。キャンプでワイワイとみんなで火を囲んで過ごす時間にはそのシンボルとして欠かせないのが「キャンプファイアー」。
ひとり静寂の森の夜に身を置いた際は、暖かさと明るさ、安心感を与えてくれる「小さな焚き火」。
世界中どこでも火は祭りや宗教の儀式の中心に置かれることも多いようです。この炎は単に照明や食物の加熱といった機能だけではない人間の感性を揺さぶる力を持っているからではないでしょうか。そういう意味では音楽、絵画、スポーツと同じなのかもしれません。
自然の芸術である焚き火を自由に使いこなし心に感じるものがあるよう操れる。あなたもそんな炎の芸術家になってみたくありませんか?
焚き火が人を魅了する理由。いろいろありますが、突き詰めると理屈では決めれないものというのが今思う結論です。人の気持ちは理屈だけで操作できるものではないですから。
焚き火は人間の本能、本質に響くもの。だから魅了される。それでいいのではないでしょうか?
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