これを知ったら焚き火がもっとたのしくなる薪の組み方

2019.02.05 (火)

焚き火には明かりを灯す、暖をとる、調理をする、コミュニケーションの場をつくるなど生活のキホンを営むベースがあります。天候や風の強弱、火の大小などシーンに合わせた焚き火のつくり方があります。薪の組み方ひとつで場のつくり方を変えることができます。この記事ではこれだけ知っておけば焚き火がもっとたのしくなる薪の組み方についてまとめました。

薪の組み方のキホン

火が燃えるメカニズムは燃料・酸素・熱の3要素です。どれか一つが欠けるだけでもうまくいかず3つのバランスがとれてはじめて安定した焚き火をつくることができます。ということは、薪の玉保ちが良く、空気が通りやすく、熱がたまりやすいということが薪を組む際に意識したいことになります。

そしてもう一つの注意点が風向き。焚き火は風に左右されます。自然の環境はその日その場によって変わります。風が吹いてくる方向に風の通り道をつくるということを覚えておくこと。また風によって火は瞬く間に大きくなります。むやみに大きくせず安全に注意するのはいうまでもありません。

薪を積み上げると燃焼効率が良くなり火力が高まる反面、薪の消費量が多くなる。逆に薪を広げると火力は弱くなるが火保ちがよくなる。考え方として知っておくとその時のシーンでどうしたらいいかがわかります。ではここで代表的な薪の組み方をいくつか紹介します。

火を囲むコミュニケーションができる「山型」

もっともオーソドックスな組み方です。焚き火の形といえばこの型ともいえるもの。合掌型、円錐型、ティーピー型とも呼ばれます。ナイフやのこぎりを使わずにできるので誰もがたのしめる組み方です。

まずスギの枯葉や松ぼっくりなどの着火剤を真ん中に置きます。その周囲を焚き付けにする細い枝から順番に太い枝を円錐状に組み合わせていきます。炎は下から上へ炎が上がっていいきます。それを意識して高くしていきます。

最初円錐状に薪を組むのは難しいかもしれません。組むときに引っかかりがないと崩れてしまうからです。そんな時は一本の枝を二つに折って地面に刺し支えにすれば上手く組めます。焚き付けをたっぷりひとまとめにすることで熱が溜まります。着火をスムーズにするコツです。覚えておくと便利です。薪が燃えてきたら立てかけていくようにします。

まっすぐ立ち上がる炎が美しいのがこの組み方の特長です。ただ薪の消費量は多くなります。数名でコミュニケーションをとりたいときは焚き火を丸く囲んでやるのが一番です。みんなで一緒に組んでみると親近感が湧きます。地面に座ってみると地球との一体感が感じられます。

一度覚えると万能な「ロングファイヤー型」


時と場所を選ばず即できる、もっとも簡単で実用的な組み方です。両サイドに枕木になる薪を置きます。二つの間に中くらいの枝を置き焚き付けを置きます。その上に燃えやすい順番で薪を重ねます。ちょっとしたコツとして枕木の下に木を置くと空気が通りやすくなります。熾火をたくさんつくることで安定した火力が得られ調理にも向いています。組み立てが簡単で着火しやすく調理もしやすい万能型な組み方です。

野営気分が味わえる「ハンター型」


ロングファイヤー型の両サイドの二つを丸太にした組み方です。ハンターが野宿するときに使ったのでこの名前があるようです。丸太の先端をV字にすることで熱がたまり、五徳的に調理器具も置けます。ハンターは狩りをしながら転々と野営地を変えていきます。だから組み立てが簡単で着火しやすく、いろんな用途に使えるようにした方法です。

ひとり焚き火に最適な「放射型」

山型をつぶしたような組み方です。インディアン型とも呼びます。囲炉裏の応用編というイメージです。薪が交わった真ん中を燃やしていきます。薪を押し込みながら火を保っていきます。重なり具合を加減することで火をコントロールすることができます。薪をつつきながらじっくり話ができます。また、少ない薪で長時間チロチロとたのしめるのでひとり焚き火には最適の組み方です。

とりあえず火が熾せる「差し掛け型」

一本の丸太に枝や薪をさしかけていく組み方です。とりあえず火を熾したいというときに使える方法です。丸太と薪の間に焚き付けをたっぷり入れます。丸太と薪の間に空気が通る空間をつくることがコツです。薪を絶やさないように補充していくのがポイント。小さく即スタートできるのでひとり焚き火にマッチしています。

雪の上でもできる「並列型」

一番下の2本の枕木を置きその上に薪を並列に重ねていく組み方です。安定していて燃焼効率がいいので火力も強く調理に向きます。また地面が濡れているときや雨天、雪の上でも使える方法です。知っておくと便利ですね。

林間学校を思い出す「井桁型」

ログキャビン型とも呼ばれます。煙突のようになって上昇気流が生まれ、燃焼効率が高いのでよく燃えます。その分薪もたくさん消費します。安定構造で吸気口も広く大きな炎が維持できます。なのでキャンプファイヤーの時などに使われます。星型に組むと煙突効果が高くなり大きな炎が上がります。小さくてもキャンプファイヤー気分が味わたいときにやってみましょう。

大人数で盛り上がりたいときは「井桁型+山型」

井桁で組んだ薪の中に山型をつくります。大きな炎になり迫力満点です。大人数で火をかこみたい、みんなで盛り上がりたいときに最適の組み方です。

焚き火の横で眠れる「トップダウン型」

通常は薪が下から上に燃えるように組んでいきます。これはその逆のやり方です。太い薪をすき間なく置き、その上に細い薪から太い薪へと順番に組んでいき一番上に焚き付けを乗せます。着火すると上から順番に下へ火が移っていくのでこの名前がついています。薪を追加で投入しなくて済むので焚き火を暖にして横に寝るときなどはこの方法がおすすめです。

文字通り「オールナイトファイヤー型」

2本の丸太をぴったり平行に並べ、その上に焚き付けと枝を乗せます。着火したらその上に丸太を乗せます。夜寝る時に暖を長時間持続したいときに使う組み方です。即席の薪ストーブといった感じですね。

焚き火はあとかたづけまでで完結

いずれの組み方をしたとしても、きちんとあとかたづけまでして完結するのが大切。火を燃やしたいだけ燃やしてあとはそのままにして帰るなんて言語道断。来たときと同じ状態にして帰るのが焚き火をたのしむときの礼儀。忘れないでください。

オトナのかっこいい焚き火

オトナのかっこいい焚き火は、小さな炎を面倒見ながら長く燃やし続けます。派手にボウボウ燃やすようなことはしません。焚き火コミュニケーションをしたいのならこのやり方がベスト。なぜならお互いの距離が近くなるからです。

薪の組み方は無限大


いろいろと薪の組み方を紹介してきました。でも本当のところ薪の組み方は「無限」です。焚き火にはさまざまな方法やテクニック、道具があります。正しい方法があるわけではありません。薪の状態、大きさ、長さ、硬さ、乾燥状態、切り方、針葉樹と広葉樹の違いなどその時の条件によってすべて変わるからです。

だからこそ焚き火は奥が深い。何種類あるとかはナンセンス。その人がその場をたのしんでやるのが一番。「あ、こんなやり方もあったんだ!」現場でちょっとしたことに気づく。自分オリジナルな組み方をプラスしてみる。これこそが焚き火のたのしみ方の醍醐味です。

マニュアルに縛られることはありません。大まかなコツだけ知っておけばどんな組み方だってOK。焚き火の前ではみんな自由で自然体。いろんな薪や組み方にチャレンジして自分オリジナルな焚き火を開発する。ワクワクしてきませんか?

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