コミュニケーションを活性化する焚き火の力~専門誌取材より

2020.02.05 (水)

焚き火が真ん中にあることで、その場にいる人のコミュニケーションは活性化します。焚き火とコミュニケーションに関心を持っていただいた専門誌記者とのやりとりをもとに焚き火コミュニケーションについて整理してみました。焚き火の力をコミュニケーションの一面からも感じてみてください。

Q;焚き火事業としてやっていることは?

焚き火を使ってコミュニケーションの場づくりをしています。最近焚き火するといっても、なかなかどこでもできるという感じではなくなっています。焚き火そのものがもつ魅力をより多くの人に知ってもらうということに加えて、コミュニケーションの場づくりをするっていうところに重きを置いています。焚き火を介することで、素直な自分、自然体になれる力があります。

具体的には個人の方向けにいつでも焚き火ができる場所の提供ということで、日帰りで来ていただいたり、ゆったり宿泊していただいたり。また手ぶらで焚き火体験していただけるイベントなどがあります。さらに焚き火でコミュニケーションの場づくりができるようになる検定、法人様向けには焚き火でホンネを引き出すコミュニケーション研修を行っています。

焚き火研修は、チームビルディングや社内コミュニケーションの活性化がテーマになります。日頃会社で机に座って会議をやって話ができないようなことを、場所を変えてやるオフサイトミーティングと呼ばれるものもあります。その真ん中に焚き火を置いてやるイメージですね。

Q;なぜ焚き火の仕事を始めたのですか?

大学の頃、野外活動研究会みたいなことをやっていたんですね。キャンプしたり野宿したり駅前で寝たり笑・・・いろんなことをやっていたのですが、そんな夜は決まって仲間内で焚き火をしました。山や海や高原・・・どこに行ってもです。

焚き火の場には、お酒も少し入れながら、普段言わない事、言わなくてもいいことを言う自分や仲間がいました。どんなことでも話せるという空間ですね。その心地良い情景が脳裏にずっと残っていました。

その後、社会人になってサラリーマンをやりはじめました。会社に入ると、組織とかいろんなしがらみの中、自分の言いたいことが言えないというか、本音の会話ができなくなりますよね。

僕はその頃から結構本音主義で生きてきました。組織の中でうまくやる的なことができないので、すったもんだ人生を送ってきました。公式の場で社長に物申したりね。痛い目にあいながらサラリーマンとして失敗人生を歩んできました。でもね、やっぱり職場では本音が飛び交うのが一番だと思ってきました。これって自分の中では譲れないものでした。

本音を隠して組織の中でうまく立ち回ると円滑にいくという考え方もあるでしょう。でもそれでは本当の意味でのチームにはなり得ませんよね。本音のない中でできたつながりは表面的なものでしかありません。

独立した後も、無理なく自然体でホンネで話せる場をつくるにはどうしたらいいか試行錯誤を続けました。関連本を読んだり、専門的なところへ学びに行ったり。でもどれも意図的にそういうふうにもっていくものばかりで違和感がありました。

そんなある日、なぜか昔学生の頃やっていた焚き火のことを思い出しました。「あの場ではみんな自然体で話してたよなあ」「もしかしたら焚き火の場ならホンネで話がができるかも」そう思いました。

それから最初は半分趣味で活動を始めました。やってみてやっぱり全ての原点ということがわかりました。併せて人と人が繋がるということが自然に起こることもわかりました。焚き火が大事だということに至りました。コミュニケーションを活性化するには環境づくりが大切です。

Q;焚き火に効果があるというのには何か裏付けがあるのでしょうか?

焚き火でこうなるといった学術的な裏付けってないと思います。ネットで記載があったり、ある人がそういうこと言っていたりとかありますが。もともと火は人間が生きていくための必須のもの。DNAに刻み込まれた理屈抜きで本能的に心に沁み入るのだと思います。

ネイティブアメリカンがトーキングサークルという場をつくる話を聴いたことがあります。その集落の人がみんな集まり、火を囲んで車座になって話をします。そこではトーキングスティックっていうのがあってそれを持っている人だけが話ができ、それ以外の人がちゃんと聴こうというルールのもとに進行するそうです。これも火を中心にしたコミュニケーションの場づくりですね。

日本では昔は囲炉裏があって、その周りに家族が集まっていました。欧米だとどれが暖炉になります。日本でも最近薪ストーブも増えつつあると言われています。火がまん中にあることで、人が集まってきて自然な会話ができます。

落ち葉焚きのシーンも同じです。垣根の垣根の曲がり角って・・・焚き火の歌にある世界です。近所の人が集まってくる。落ち葉焚きの中に焼き芋入れて、みんなで囲みながら雑談をする。大人も子供も壁がなく話ができる場はとても大事だと思います。落ち葉焚きのシーンを再現したいと思っています。

焚き火には、集中とリラックスを同時にできる効果があります。焚き火を目の前にすると一度に五感が立ちます。火のゆらぎを見る、煙に匂いをかぐ、パチパチと爆ぜる音を聴く、薪を触る、食材を焼いて食べるというものです。人の神経が研ぎ澄まされるような感覚か感覚になって、集中力が上がってくるんですね。

集中力は一方でリラックスできる時間がないと上がらないもの表裏一体なんですね。スポーツの世界でも言われています。例えばイチロー選手が現役の頃、打席に入る前にバットをぐるぐる回す行為。リラックスして集中力上げているのだときいたことがあります。焚き火を眺めることでそれが自然にできます。焚き火basekokkoに訪れる人たちがみんな同じようなことを言っています。

マインドフルネスというものが流行っていますね。これも「今ここに集中する」ことをやっているといいます。そこにはやはり深くリラックスすることがセットになっています。瞑想なども同じです。ただ一つ気になることがあります。それは全てに第三者の意図が入っていることです。ずっと以前にチームビルディング研修などで学びに行ったことがあります。

みんなでやるゲームをしたり、進行役が質問をしたりするのですが、全てに進行役の意図が入っていました。そのことにとても違和感を感じました。焚き火の良いところは意図的にやらないということです。あくまで自然体のうちにそうなれるというところです。そこにいる人たちが「ありのままの素の自分」が出してもらえるように自然体の場をつくることにこだわりがあります。

Q;焚き火ベースコッコはどんな場所ですか?

30年ぐらい前にできた別荘地にあるログハウスと周辺のファイヤースペースです。Kokkoはフィンランド語で焚き火の意味があります。一度訪れてハマってしまったフィンランドのような情景を目指したいと思って名付けました。

宿泊施設はキャンプとホテルのまん中くらいのイメージです。アウトドアは未経験、初心者でいきなりテントを貼るのはハードル高い。不便すぎても困る。かといってホテルに泊まるのはありきたり。キャンプデビュー前に一度プチアウトドア体験をしてみたい的な方もいらっしゃっています。

手ぶらで来ても調理道具や食器など自炊するのに必要なものはすべてレンタルできるよう完備していますので、手ぶらで来て焚き火をして宿泊いただけるようになっています。

いわゆる二拠点生活をやっています。といってもそうしようと思ってやったのではなく、仕事をしていたら結果的にそうなったという感じです。金曜日に入って、土日仕事をして、月曜は片付けと周辺作業をして戻ってくるようなスタイルです。5日くらい滞在したときは、木を切ったり、薪棚をつくったり、もろもろ作業に没頭できてリセットしています。やはり自然の中はシンプルな暮らしができると実感しています。

Q;仕事としてはどんなことをやっていますか?

今は三本柱で仕事をしています。まずこの焚き火コミュニケーション事業。次に働き方を支援する事業があります。10年前独立した頃からやっていてしばらくは起業したい人のサポートをしていました。最近、働き方が多様化してきたことに伴って、会社に勤めながらもう一つ自分がやりたいことを立てていく複業を支援しています。もう一つが講師業です。自律型人材育成、社内コミュニケーションの活性化などが主たるテーマ、おかげさまで全国から引き合いをいただいています。「個を尊重した場づくり」というのが三つの仕事の根っこにある共通点です。

Q;検定もやっていますね?どんな内容なのですか?

焚き火コミュニケーション検定と呼んでいます。焚き火を使ってコミュニケーションの場づくりができるようになるプログラムです。焚き火の場をつくるためには火を扱う技術が必要です。まずそうした焚き火の技術を習得いただくこと。加えてコミュニケーションの場づくりをするスキルを身につけていただくことです。こちらがメインですね。コミュニケーションには心理学の側面も組み込んでいます。

初級と上級の二つのコースがあります。初級には、仲間内や同僚で焚き火の場づくりができるようになりたい、コミュニケーションも学んでみたいという人がいらっしゃいます。上級は既に焚き火は自分で何度かやっているけど、なぜみんなが話しやすくなるのかとか、リラックスできるのかを体系的に学びたいという人が多いです。こうした人は、自分でもこんな場づくりを運営したいという気持ちがありますね。初級は半日、上級は一泊二日です。

火を熾すという行為に至るまでには人と人との接点があります。単に火熾しができるようになるなら単なる焚き火講座ですね。各々の作業の意味づけを知りながら場をつくっていくプロセスにこそ重要な要素があります。焚き火とコミュニケーションの掛け合わせで出来上がっていきます。

焚き火をつくるのはその場の火熾しだけではありません。まず薪にするための木枝を拾ってくるというところから作業は始まります。森や林に入ると日頃使っていない五感が開きます。一つの袋に木枝を入れるときにも、一人が木枝を入れる、もう一人が袋を開けてあげるなどの行為が起こります。そうした中で、構えることなく何気ない会話が生まれていきます。

焚き火がつくりやすいように、持って帰ってきた木枝を仕分けします。同じ作業をみんなで一緒にやる中でさらに接点が増えていきます。薪を組むときも木枝を持ってくる人、組む人、それをサポートする人など役割分担ができます。

こんな感じで火を熾すというステップまでにお互いの自然な関係性ができていくんですね。これをそのままやるのか、意味付けをして振り返るのかで大きな違いが生まれるわけです。お互いを気にかけながら時間を過ごすことに価値があります。日常では少なくなったことですね。

コミュニケーションとは、「心と心が通い合うこと」と定義しています。相手と話すことだけがコミュニケーションではありません。話さなくてもコミュニケーションは成立します。心と心が通い合いが自然体でできる。その真ん中には焚き火の存在が必須と考えています。

 
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