安全に焚き火をするための5つのチェックポイント
「これから焚き火が自分でできるようになりたいけど、安全にやるにはどうしたらいいの?」
講座に参加される人がほぼ知りたがっている内容です。焚き火をこれから始めようと思っていたら、この気持ちをもつことはとても大切なことです。
たばことと並んで毎年出火原因の上位を占めるのが焚き火です。時折ニュースで山火事のことが報道され、その原因が焚き火だったと言われることがあります。とても悲しい話題です。
焚き火をするときに一番重視したい点、それは言うまでもなく安全であることです。でも実際にやるとついつい忘れてしまいがちなところでもあります。
安全な焚き火をするためには5つのチェックポイントがあります。これだけは必須というものばかり。
この5つのポイントをきちんと励行すれば、安全な焚き火ができるようになります。これから焚き火を始めたい人はもちろんのこと、何回かやったことがある人もおさらいで確認してみてください。
周囲に燃えやすいものはないか?
今から焚き火をしようとする場所の周辺に燃えやすいものがないかを確認してください。焚き火をすると火の粉が飛びます。周囲のものに燃え移る原因になります。
例えば、秋になると枯れ葉があたり一面に積もります。枯れ葉が積もった中で焚き火をするとどんなことが起こるでしょうか?
ちょっと想像すればわかりますよね。ひとたび枯れ葉に火が燃え移ると一気に広がります。最悪手に負えない事態にもなりかねません。山火事といった惨事はこうしたところから生まれます。
枯れ葉の中だときれいな写真が撮れるから、インスタ映えするから・・・ついそんなことも考えてしまうでしょう。
でもその前に安全性がどうなのかを最優先してください。
まず自分が焚き火をしようとする場所に燃えやすいものがないか?焚き火台の下はどうなっているのか?
もしあるのならそれらをすべて取り除いた上で場所決めをします。
最近では地面に燃えカスが落ちてダメージを与えないように、焚き火シートと呼ばれるものも販売しています。ここまでできたらベストです。
ただ、個人的にはちょっと行き過ぎ感があるように思えます。一人ひとりがちゃんと焚き火をすれば、こうしたものまでは必要ないはずです。
ちなみに法規でも記されています。
可燃性の物品その他可燃物の近くにおいては、たき火をしてはならない。火災予防条例第25条
風は吹いていないか?
次にチェックしたいのが風です。風向きによって火の向きが変わります。風は一定方向ではありません。予想をしていない方へ向くことがあります。
風に乗って、火の粉が飛び散ります。テントやタープに火の粉が飛ぶと穴が開いてしまいます。
キャンプ場のときは近くに他のお客さまがいたりします。風下に何があるかを必ず確認してください。隣人のタープに穴をあけたら大変なことですし、煙の向きにも注意が必要です。
風の向きが変わると、勢いにあおられ、火はあっという間に燃え広がっていきます。風の強さにはいつも意識を置いてください。
強風が吹いているときには焚き火をしてはいけません。「せっかく来たんだから」「このくらいなら大丈夫だろう」という安易な気持ちは捨てましょう。
消火の準備はしてあるか?
結構これが忘れがちです。具体的には焚き火の近くにバケツで水を用意します。
火はひとたび大きく盛り上がると人がコントロールできない状態になってしまいます。
万が一、そうなりそうな時にいち早く火が消せるようにしておくにはこの方法が一番です。
多くの人が忘れがちな準備です。必ずお願いします。
法規でも記されています。
たき火をする場合においては、消火準備その他火災予防上必要な措置を講じなければならない。火災予防条例第25条
火を大きくしていないか?
火が燃え始めるとどんどん薪をくべて火を大きくしたくなります。特に初心者や大勢で行ったときには調子に乗ってやりがちです。
大きくなった火は予想超えるような大きさになります。火はいったん大きくなると自分でコントロールできない状態になります。
焚き火の重要なポイントは、自分がコントロールできる範囲でたのしむことです。手に負えないような状態になると大変です。火は決して大きくしないということを覚えておいてください。
どんどんくべると、薪も余計に使うことになります。焚き火の主役は薪です。薪にも愛情をもって接してみてください。
あとかたづけはちゃんとやったか?
焚き火の終着点はあと始末です。きちんと消火せずに放置したり、残り火の処置が不十分であったために出火するケースもあります。
やりっぱなしで帰ってしまうなんていうのは最低のマナー。ちゃんとすべてのあとかたづけをした上で帰るのを励行してください。
薪は真っ白な灰になるまでしっかり燃やすのがベストです。ただ、なかなかそこまで至らないのが多くの場合です。
もし燃えカスが残ったときは、冷やして持ち帰ってごみとして処分します。(※ごみの処分の仕方は各自治体によって異なるので確認してください)
済は土に埋めたらいいんじゃないの?と思っている人もいます。炭は自然には還りません。燃えかすの炭を土に埋めないようにしてください。
最近よくきくのが焚き逃げという事態です。焚き火をやりっ放しで帰ってしまうという意味です。とんでもない話です。
あとかたづけができないようなら最初から焚き火をしない。そのぐらいの気持ちで臨んでほしいと思います。
防火管理の視点
防火管理者マニュアルには下記のように記載されています。ご参考まで。
①風向き、風速等の気象条件を考慮し、周囲の可燃物との距離を十分に保つ。
②突風等によって予想以上に火炎は延びたり、火の粉が飛ぶことがあるので、常に監視を怠らない。
③水バケツ、消火器等を準備し、残り火の始末を完全に行う。
④火の粉や火のついた物が飛ばないように、なるべく金属缶などの容器を用いて行う。
(防火管理講習テキストより引用)
まとめ
安全に焚き火をするためのチェックポイントを解説しました。読んでもらったらわかるように、どれも当たり前のことばかり、特別なことは書いていません。
でもこの当たり前をバカにせずにちゃんとできるかが重要です。
一人ひとりのちょっとした意識が焚き火の輪を広げていくことにつながります。逆に基本動作が守れない状態になると焚き火がますますできなくなることにもつながります。
きちんとマナーとルールを守った焚き火をして、身近で焚き火ができる文化を広げていきましょう。
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