焚き火民泊立ち上げ記録|山で仕事ができる通信環境
焚き火民泊というスタイルでシゴトをつくりました。これを立ち上げた理由の一つに新しい働き方を体現したいという思いがありました。テレワーク・リモートワークの実践です。今では当たり前に言葉が浸透した働き方。でも2018年の事業立ち上げ当時はそれほどメジャーではありませんでした。
せっかくやるなら突き抜けた働き方がしたい。自分が大好きな場所の方がダンゼン良い仕事ができます。人里離れた山の中にいてもフツーに仕事ができる。パソコンに向かっている以外は山の斜面を開墾したり、木を切ったり、焚き火をしたり。メリハリをつけた生活がしたいと考えました。
そのとき一番のカベになったのが通信環境の問題です。本記事では山の中で通信環境をどうやって整えていったかの記録をまとめました。
アンテナが立たない!
場所がどこにいようとフツーに仕事ができる。そのために必須になるのがインターネット通信環境。これがなければ口だけで終わってしまいます。
最初の頃、物件の下見に行ったときのことです。建物の外でケータイをみてもアンテナは立ちません。時折3Gで1、2本立つことがある程度。「これはまずいなあ・・・振り出しかなあ・・・」と肩を落としながら帰路に着こうとしたとき、たまたま近隣の人が立ち話をしていました。現地の人に訊いた方が早いと思いました。
「つかぬことをお訊きしますが、お宅でインターネットはお使いになっていますか?」
「もちろんだよ」
「さっきからスマホで確認しているのですがアンテナが立たないので」
「ドコモに電話したら現地調査してくれるよ。弁当箱くらいの機械を置いてくれるからそれでつながるようになるよ」「そうなんですか!」
暗雲たち込めたところにひと筋の光が見えました。
ドコモならつながるかも?
早速段取りしようとドコモのフリーダイヤルに電話してみました。すると山の中で電波がつながらないときというスバリの窓口がありました。オペレーターに状況を伝えます。すると「お客さまのお宅は対象外エリアになっています。担当者が現地調査に行けるか否かもわかりません。かなり難しい状況です」と予想外の返答。
「えっ?そんなはずないでしょ?既に近隣の人が使っているんだからできるはずでしょ?」食い下がりました。
「私のところではこれ以上の確認は難しい状況です。エリア担当者に伝えますのでご連絡をお待ちください」
えーできないの?もう契約しちゃったしどうしよう・・・またまた暗雲がたち込めます。
数時間してエリア担当者から電話がありました。
「一度現地調査に伺います。ご都合の良い日程をお知らせください」
とても丁寧でこれならイケるのではという感じになりました。まさに二転三転。WEB窓口だけで判断するのは良くない。そんなことがわかる事例です。
つながったけどまた問題発生
それまでケータイはソフトバンク。まずドコモに替えないといけません。仕事で使う電話ということもあってガラケーを利用していました。普通にナンバーポータビリティで替えると機種代が掛かってしまいます。知り合いや窓口に確認し、実質ゼロ円割というものがあるのを知りました。ドコモへの変更をコストを抑えて終えることができました。
現地での工事当日ドコモの担当者がやってきました。
「谷の下に電波塔が立っています。その電波をこのアンテナが拾って室内に流し込みます。この箱のような機械が電波を増幅する仕組みです。まずこちらで様子を見てください。もしかしたら光回線をひかないと難しい状況になるかもしれません。その時はお問合せください」
担当者の説明は適切でした。費用も一切掛からないとのこと。しばらく使ってみましたがストレスはありません。これでイケると踏んでいました。
ところがまた問題が起こりました。ある日一日ネットに接続していたら突然スピードが極端に遅くなったのです。ドコモの回線経由でネット接続していたのはSIMカード。毎月の通信使用量を超えてしまったのが原因でした。
光回線で一件落着
これでは全く仕事になりません。できるだけ固定費は抑えたい。ポータブルWIFIなどの方法を検討しました。いずれもメリット、デメリットがあり、どれもぴったりとは言えません。
そうこうしながら思い出したのがドコモの担当者が言っていた光回線。こんな山の中でインターネット回線が引けるのだろうか?不安でしたが確認するとできるとのこと。ただしNTT東日本以外は光が来ていないことがわかりました。
よく見ると建物のすぐ近くに電柱が立っています。ここまで光が来ているのですね。もう選択の余地はありません。月額固定費用は掛かってしまいますが、ここでの仕事を実践するにはやむを得ない必要コスト。一戸建て用のネット回線でWIFI環境をつくることにしました。
まとめ
こうして通信環境をつくって丸3年。サクサク動いて通信ストレスは全くありません。むしろ二拠点で都市部にある自宅マンションより快適なくらいです。新型コロナ禍の環境変化も手伝って、当初目論んでいた「どこでも仕事ができる働き方」は完全に確立しました。
焚き火民泊という山の中のシゴトを成立させるにはネット環境が必須です。逆に言うとここさえクリアすれば「どこでもシゴト」はできるようになります。シゴトを持ち運びできる働き方「ポータブルワーク」。ワークスタイルを具体化するために重要な基盤です。
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