焚き火をシゴトにしている理由

2020.08.22 (土)

名刺交換をします。「えっ?焚き火ですか?何ですかそれ?」「趣味ですか?」と訊かれます。「いえシゴトです」と答えます。

「なぜこんなことをやっているのですか?」「なぜ焚き火を仕事にしているんですか?」次に来る質問です。焚き火を仕事にするなんて変ですものね。理由はいたってシンプルです。

過去のブログを整理していたら、こんな文面が出てきました。2017年3月のもの。焚き火専用フィールドをつくる前年です。焚き火をシゴトにしようとした思いが綴られていました。

その日は朝から雨。ひと雨ごとに春になってくるという感じ。でもまだまだ寒い。息子がバンドの練習に行くというので車で送ってやった。その道すがらでの会話。面と向かって話す機会はそんなにない。こうして車に一緒に乗ったときくらいだ。なぜだかこういうときは真面目な話になる。
 
息子:「最近メディアによく出てるけど、なんでなの?」
僕:「それなりに情報発信してるからかな?少しブームなのかもな。あと社団法人にしてるし。ちゃんとやっているところって見えるのかもしれないな」
 
息子:「なるほどね・・・焚き火で何をするつもりなの?」
僕:「焚き火を囲むと誰でも素直になれる。お前もキャンプ行ったからわかるやろ。昔はあちこちでやってたんやな。でもいろいろ規制ができてできる場所が限られるようになった。昔みたいにふと思ったときに焚き火ができて、みんながたのしく話せる。そんなふうにしたいんや」
 
息子:「ふーん・・・ 土地を手に入れるとか言ってたよね」
僕:「キャンプ場を借りてとかやってると自由が効かないやろ。だから自分の土地が要るんや。自分の思い通りにできる場所。誰も文句を言わないところ。今日は焚き火がしたくなった。じゃあ昼から行ってやろう!すぐにできちゃう。そういうのっていいやろ」
息子:「へえ~そうなんだ・・・」
 
これだけの会話のキャッチボール。でも深みがあった。まだ頭の中で生煮えになっていることを口に出して話した。しかも他ならぬ息子。父親が言ったことはちゃんと憶えているに違いない。
 
起業は自分で仕事を創り出すことだ。今まで世の中になかったようなことを創る。ゼロから生み出すことに醍醐味がある。「そんなことで仕事になるんですか?」よく言われることがある。

言われると逆に燃える。「そう思うでしょ?でも仕事になってるんですよ!」そう言い切れるように。誰かがやったことなんてたのしくない。できないと思うことをできるようにしたい。というかできないから入るのは性に合わない。
 
焚き火のことを深く知っている人は世の中に他にもたくさんいる。でもみんな趣味だ。僕は焚き火を仕事にする。そう決めている。焚き火マニアでないし、技術を超越する気もない。焚き火は誰もができるもの。特別なものではない。昔はどこにでもあった風景だ。
 
そんな焚き火をもっと身近な存在にする。そして誰もが自然体でコミュニケーションができる場をつくる。人間の根っこになるような。息子にも宣言した。あとは実行あるのみだ。

僕は学生時代、野外活動研究会なるサークルに入っていました。仲間と一緒に日本全国を渡り歩きました。30キロ歩行、真冬のキャンプ、駅前で寝袋で寝る、登山などいろいろやっていました。

キャンプをすると夜は決まって焚き火になります。森の中、海辺、高原・・・いろいろ場所があります。焚き火というとキャンプファイヤーをイメージする人が多いですね。焚き火は少人数で小さな火を囲むことです。

夜も更けてお酒を飲みながら焚き火を見つめていると、ポツリポツリいろんな話が出てきます。そんなこと言わなくてもいいのに・・・翌日になってはずかしくなるようなことまで話している自分がいたりしました。周囲の仲間もそうでした。素直な自分に戻れるあの感じ。あの瞬間がたまらなく好きでした。これが原体験です。

焚き火の前でお互いの裏側や背景も見え隠れします。かといって無理にしゃべろうとする必要もありません。話したくなかったら話さなくいい。火をぼーっとみていたり。薪をくべてみたり。とにかく自分のペースでいればいいのです。

その後、社会人になりました。現場と本部のハザマにいる仕事でした。現場では今こんな問題を抱えているのにj本部は自分たちの利権だけでやっている。そのことが許せませんでした。公式の場で進言しました。幹部批判までしてしまいました。サラリーマン失格人生を歩むことになりました。

そこに属する人がみんなで正しいことを共有する。その実現へ向けて一人ひとりの個性を出してそれを認め合うことで心ひとつになれる。本音でなんでも言い合える場がほしい。でも現実はなかなか難しいものがある。

ずっと思い続けてきました。そこに学生時代のあの焚き火の光景が蘇ってきたのでした。これならいけるかも!これをやりたい!焚き火をシゴトにしようと思った理由です。

心理学で「安全安心な場」というものがあります。この場ならどんなことを言っても否定する人はいない。自分をさらけ出しても安心。みんな受け止めてくれる。認めてくれる。そんな場のことを言います。この場は意図的につくるものではありません。焚き火を囲むと自然なながれで安全安心な場ができます。

「そのままの自分でいられる場所」をつくりたいという想い。人はみんな子どもの頃は素直だったはず。でも大人になるにしたがって、育った環境や周囲の影響で知らず知らずのうちに鎧を身にまとい始める。意識してやっているのではなく、知らず知らずのうちにそうなっていく。そしていつしか「ありのままの自分」を出せる場がなくなっていく。

大人になると重い鎧をつけながら本当の自分ではない自分を演じ始めます。実はとても窮屈なものです。でもしょうがないのでそうします。知らず知らずそれが当たり前になっていきます。本当はそうではないのに。

人の原点は実はとてもシンプルなもののはず。焚き火はそんな「人の原点」を思い出せてくれます。火が人のもつDNAに語りかけてくるのかもしれません。原点回帰できる。それが一番の魅力であり、焚き火でつくりたい想いです。

そうあなたはそのままでいいし、そのままがいいのです。

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